「魔法使いな日々」
2006/08版 その3

リンクを張られるという奇特な方がいらっしゃれば,
<A HREF="http://mahopapa.hauN.org/d/YYYYMM_X.html#DDZZ[a-z]>
という感じでお願いします。
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2006/08/21 (月) 晴れ

通常営業開始 (ニセ関連)

_ 先週一週間みっちりと夏季休暇を取り,今日から通常営業。

_ といいつつ,実は帰省から帰ってきたのは木曜日で, 金曜日の夜にこっそりと実験を仕掛けていたりしたので, 今日はその解析作業をウニウニと。

_ ………,あ〜〜。もしかして何かうまくいってる風味??(^^;

_ ということで,ちょっと一安心。

_ それにしても原因の一端はあそこだったのかー(--;;


休暇中の出来事 (日常)

_ 休暇中は,墓参りと法事のために亡くなった祖父宅へ。

_ 本当は実家の方へも足を伸ばす予定だったものの,仕事が修羅場過ぎたため*1 に,実家までは北上せず途中の祖父宅までしか行かないという日程を組まざるを得なかっただけだったり。

*1: 正確には上述した金曜夜からの実験時間を確保するため

_ っつーことで,出席を予定していた同窓会もドタキャンしたり,いろいろと関係各位に迷惑をかけることになったりとか。

_ その代わり,移動日が減った&実家周辺より祖父宅周辺の方が遊び場が多いと言うことで,動物園やら市立科学館やらで家族サービス。

_ 本当は同じく法事に来ていた妹夫婦の子供たちとともに花火をやる予定だったんだけど,あいにくの雨と甥っ子の発熱で中止。しかたがないので,もらって帰って,ゆうの友達を招いて急遽花火大会をやったりとか。

_ で,妹夫婦のところの子供たち(甥っ子x2)が,完全に風邪を引いたという話を聞いて「もしかして」と思っていたら,案の定*2あいも発熱。

*2: とはいいながらも,実は半年以上ぶり。病院に行くレベルのものになると,引っ越し直前に入院をした時以来一年半ぶり(^^;

_ っつーことで,土日はあいの様子を見つつ,こちらも疲れを癒して今日からの通常営業に向けてリフレッシュを……

_ と思っていたけど,実は休暇前の解析データがいまいちで悶々としていたりとか(^^;;

_ まぁ,今日とれたデータがマシだったんで良かったんですが(^^;;



2006/08/22 (火) 晴れ

食品の安全が気になる方々,出番です (雑談)

_ 見た瞬間ちょっと目眩がしました。

_ なんつーかですな。BSE牛とか,遺伝子組み換え食物の危機なんてのは「もしかしたら」とか「私が1億分の1になったらどうする」とかそういうレベルの話なんですが,中国で使われている残留農薬による危険って言うのは

すでに明らかになっている危険

なんですよ。アメリカの精肉業者を視察に行く暇と金があったら,中国の輸出業者の検査・管理体制を徹底的に調べないといけないはずなのに,それを緩和してどうするんだ?と。

_ しかも,日本側が認定するならともかく「中国政府が衛生状況などを調べて問題がないと判断した「優良事業者」」って,

中国に判断させてどうするんだよ

って,思いませんか?>米国産牛輸入に反対する食の安全に敏感な市民団体の皆さん

_ 職業柄,少ない人員と短い期間と大量のノルマにあえぎながらも,ポジティブリスト作成に尽力してきたその筋の研究者たちの努力を無にするのか?とも思ってしまいますが,それ以前に

国民の健康をなんだと思っているのか

と。この件に関しては強く言いたい。

_ というか,それ以前にポジティブリスト導入によって

中国産農水産物の輸入は急激に落ち込み、6月は同17.9%減。夏に増えるはずのウナギも飼料を介した残留農薬で58.8%減、冷凍ホウレンソウが35.4%減、ニンニクが11.3%減など大きな影響が出ている。

これだけの影響が出るほどの農薬が含まれた食物が

これまで普通に輸入されて流通していたのか

と思うと,ぞっとします。

_ 常々言い続けていましたが,使えるリソースと支払い可能なコストは限定されています。未確定な危機にそなえることも大切ですが,それもこれも

今ある危機に十分対応してからの話

であるべきです。

_ あるかどうかもわからない遺伝子組み換え食品の弊害や, 喫煙による発ガンリスクよりも遙かに低い確率でしか生じないようなBSE牛にこれ以上のコストをかけるよりも,

明らかに発ガン性を持つ農薬が残留している食品を水際で食い止める

ことにこそ,政府は全力を尽くして欲しいと思います。

_ っつーことで,食の安全に敏感な市民団体の皆さんのご活躍を期待しております。ぜひ大々的に政府に対する反対運動を展開してください。今回ばかりは応援させていただきます。



2006/08/23 (水) くもり

やっぱり規制強化してください (雑談)

_ 昨日こんなことを書いたばかりですが,やっぱりやばいです>中国産農作物

_ 今回問題になってるエンドスルファンという物質は,ベンゾエピンとも呼ばれている塩素系の化合物で殺虫剤として用いられています。構造を見ていただければ想像できるとおり,水に溶けにくいため生態濃縮がかかりやすいという性質を持ってます。後述する基準値を考えると,その22倍の量が含まれるうなぎを丸々一匹食べただけでどうこうなるほどの毒性ではないですが,もちろん急性毒性も持っています。(参考:MSDS(PDF))

_ 日本ではPRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)において第一種指定化学物質に指定されており,環境中への排出量や廃棄物としての移動量などの厳密な管理,および化学物質の性状及び取り扱いに関する情報の提供に関する措置(MSDSの配布など)が義務づけられています。また,ポジティブリストにおけるうなぎ中の基準値は0.004ppmとされており,特に基準値が設けられていない場合に用いられる一律基準0.01ppmよりも厳しい制限値となっています。

_ 魚毒性が高いため,通常魚の養殖場などで用いられることはありませんが,中国の場合付近の農場などで大量に使用されています。この辺の理由はまだ調べが付いていないのですが,ポジティブリストにおける野菜中の基準値はウナギに比べるとはるかに緩い(最大1ppmまで許可)です。そのため,実際に使われている現場で栽培されている野菜では問題になっていませんが,養殖場付近の土壌に混入してきたものがウナギに入り込み,今回問題になっているのだと予想されます。

_ ちなみにポジティブリスト制が日本で施行されたのは今年の5/29からなんですが,その後厚生労働省から11件の輸入食品について検査命令が出されています(参考:厚労省報道発表資料)。ですが,なんとそのうち4件が中国産農作物に関するもの(他は台湾が2件,フランス,ガーナ,ベトナム,アメリカ,ブラジルが各1件)です。

_ もちろん,それぞれどの程度の数の農作物を輸入しているのかなどと言うファクターも関係してくるとは思いますが,ちょっと多いとは思いませんか?このような状態で監視体制の緩和を要求するとは,おこがましいにもほどがあります。

_ もちろん自国の産業を守るために,コスト高を引き起こす規制を緩和しろと言うのはその国の自由です。勝手に言ってください。ふざけんな,とは思いますが。ですが,中国産農作物に関する事態が改善される方向に進んでいるとは全く見受けられないのに,日本側が規制緩和を受諾する方向に動く*1理由がわかりません。

*1: この発言の出所ってどこなんだろ?管轄してるのは農水とか厚労だと思うんだけど,外務省とかが勝手に言ってるんじゃないだろうなぁ。

_ よく考えてみてください。今年のように国内での野菜供給量が著しく不足している状態であれば,

多少対策によるコスト高を受けて値段が上昇しても輸入量は増加しているはず

だとは思いませんか?それなのに,昨日のニュースにもあったとおり,中国からの輸入量は激減しています。うなぎだって,国産のウナギ供給量減少に伴い値段が高騰しているのが現状ですから,同じように安価な中国産ウナギがさらにシェアを伸ばしていても全く不思議ではありません。

_ あるいは,マスコミ各社が一斉に中国産農作物の危険度を過剰に報道し,それにより引き起こされた買い控えが全国的に起こっているのでしょうか。もちろんそんなことはありません。皆さんご存じの通り,少なくとも大手報道機関では

米国産牛肉に対するネガティブキャンペーンはあっても,
中国産農作物に対する危険性はほとんど報道されていません。

_ そのような状態にもかかわらず,なぜ中国産農作物の輸入量が減少しているのか。

_ となれば,理由は一つしか思い当たりません。

中国産農作物はポジティブリストへの対応ができていないために,日本に輸出できない

_ アメリカ産牛肉の場合は「わざわざ日本向け専用に」精肉を処理することを義務づけさせ,それを守ることをアメリカは承諾し実行しています。というか,するまで年単位で輸入を完全停止していました。もちろん規制を緩和しろという要求も出ていますが,今のところ大きく譲歩しているようなことはありません。さらに言えば,輸入再開直後であったにもかかわらず,一件の明らかに人為的なミスにより数ヶ月間も輸入全体が止まりました。

_ これに対し,中国産農作物の場合は同一品目に対する検査を義務づけているだけで,

輸入自体は全く止まっていません。

いったいこの対応の差はなんなのか。

_ 政府のこのような対応を見ても,まだ「小泉は米国の犬だ」とか「小泉政府は中国を軽視している」などと言える人は,結論が先に立って事実を全く見ていないとしか思えません。また,日本の要求に対して真摯に対応しているのは米中どちらの国なのか。より対等な立場で交渉しようとしているのはどちらなのかもよく考えたいところです。

_ もし,本当にこのまま中国産農作物の監視体制が緩和の方向に進むようなことになれば,少なくとも農作物に関しては「日本は中国の言いなりになっている」と言うしかないのではないでしょうか。

_ それにしても不思議なのは,なぜこのような事態について米国産牛肉の時にあれだけ食の安全がどうこうと叫んでいた

野党各党や市民団体の人たちはいまだに何もコメントを出していないのか。
なぜマスコミ各社ももっと大々的に報道しないのか。

_ 米国産牛肉の時はあれだけ迅速に批判的なコメントを出しまくっていたにもかかわらず,なぜこのような中国の横暴な要求に唯々諾々と従おうとしている政府を批判しないのでしょうか??

_ 我々が本当に叫ばなければいけないポイントは,いったいどこなのか。 みなさんにもぜひ考えていただきたいと思います。


お返事 (ぐる, 雑談)

_ なんかご批判をいただいてるっぽいんだけど,何が批判されているのかよくわからないので反論風味でお返事を。

_

米国産牛肉輸入のためのポーズに過ぎない視察をもって狂牛病に関する調査研究を批判するのはナンセンスだと思った。

BSEに関する研究全体を批判するつもりはなかったんですが,そう読めたんならごめんなさい。私の文章が拙いせいですね。もうしわけありませんでした。 BSEに関する研究は,まだまだ未解明の部分が多い話ですから,もっと長期的な視野に立って検討を続けなければならない案件です。ぜひ関連分野の方々にはがんばっていただきたいところです。

_ ですが,BSEはその原因がプリオンなのか,はたまた一発逆転で未知のウイルスによるものなのかはわかりませんが,いわゆる危険部位を取り除くだけでそのリスクが大幅に軽減されることは紛れもない事実です。また,200万頭20万頭*2のBSE牛が発生している中で,その危険部位をばくばく食べまくっていたイギリス人でさえ現在までに変異型CJECJD発症者は200人もおりません。現状の対応を行っているだけで,BSEのリスクはほぼゼロに等しいレベルまで下がっているんです。マスコミなどが執拗に煽っているほど危険なものではないんです。以前から主張していますが,何度でもこの点については主張していきたいと思っています。

*2: 2006/08/23 21:30訂正

_ これに対し,残留農薬などについての毒性や危険性はすでに長年の研究と症例データなどが蓄積された分野であり,どのような物質がどの程度の危険を持っているかがはっきりとわかっております。そして,そのデータに基づいて決定されたのが「ポジティブリストの基準値」です。

_ 当然安全側に振っているので,急性毒性などが生じるようなレベルではありませんが,身体に害が生じる可能性が十分に高いからその値に基準値が設定されているわけです。そして,その基準を超えたものが次々と海を越えてやってきているのが現状です。

_ このような現状を鑑みれば,そんなくだらないポーズを取っている暇や金があるのであれば,よりリスクが高い方にこそ貴重なリソースは割かれるべきだというのが私の主張ですが,そんなに変ですかね?私は当然だと思うんですが。

_

その理論でいくなら 残留農薬:対日輸出激減で日中協議 運用改善検討とやらで「中国政府が衛生状況などを調べて問題がないと判断した「優良事業者」は対象から除くよう求めた」を政治的決着でOKして残留農薬物の入った食物が輸入されるのを止められないなら、残留農薬に関する調査研究も不要ってことになっちゃいますね。
「その理論」っていうのは一番上の段落なのかと思ったんですが,それとこの段落のつながりが理解できませんでした。ごめんなさい。でも仰るとおり,確かにこんなことを政治決着で認められてしまったら,残留農薬に関する研究が無駄になってしまうので,ぜひとも思いとどまっていただきたいところです。

_

すでに経路や原因が確定している問題と未だに原因が仮説に過ぎず経路も確定していない問題とを同レベルに並べた上に、一方の問題でしか死亡の確率を出さずに比較してしまうあたり科学者には向いてないようですので、政治家への転向をお勧めします。
同レベルにはおいてないです。経路や原因がはっきりしていて,なおかつリスクも圧倒的に高い残留農薬問題を「より高レベルの問題として認識すべきだ」というのが私の主張です。

_ また,確かにBSEの方でしか死亡率を上げませんでしたが,それは前述したとおりBSEに対する世間の評価があまりに過剰なために「それほど高いリスクではない」ことを強調するためです。これに関して私は以前から主張しまくってますが,まだまだ世間に浸透しているとは言い難いのが現状です。それに中国産農作物で問題になっているポジティブリストに掲載されている化合物全部について語るのはさすがにしんどいですし,十把一絡げに語れるようなものでもありません。

_ あと,この辺は説明不足の誹りを受けるかもしれませんが,この問題で注目しなければいけないのは,その物質の持つリスクも当然ありますが,それ以上にこちら側で設定した基準に対する対応と,それに対する日本側の態度のバランスだと思っています。

_ たとえばBSE牛対策について日本側がアメリカに求めているものは,現時点の技術では検出限界以下にしかならない量のプリオンしか蓄積しないことがわかっている若い牛についても,検査を行うことを義務づけるというわりと理不尽なものです。合理的に考えればこんなことをしてもなんの意味もないことがわかるはずなんですが,日本の世論はそれを許しませんでした。そのため,政府としても正式に要求し,「それで安心してくれるのならば」と思ってか,「なんて理不尽な要求をするんだ」と悔し涙を飲んだのか知りませんが,アメリカ側はこれを受け入れて*3実施しています。

*3: さすがに全頭検査までは受け入れませんでしたが。

_ これに対して中国産農作物はどうかと言えば,2002年から中国内ですら食用動物に対しての利用が禁止されているマラカイト・グリーンと呼ばれる殺菌剤が最近になってもうなぎから検出されて問題になっています。

_ この物質はどういうものかというと,割と古くから発ガン性が指摘されていて,日本ではもちろんポジティブ・リストにも入っておらず,それ以前に食品衛生法で食品中から検出してはならないと規制されているものです。アメリカでも1981年に,EUでも2002年に食品への使用が禁止されています。

_ 日本側の過剰な要求に対して,一応渋々と対応している国に対しても一度ミスをすれば輸入完全停止という厳しい態度を取る一方で,このように古くから規制されてきた物質ですら,数年たってもまだ検出されるような管理体制の国からやってくるものに対しては寛容な態度を取ろうとしている政府を批判するのは,そんなに変なことでしょうか?消費者もマスコミも中国産農作物の残留農薬問題にこそ,より厳しい目を向けるべきだという私の主張はそんなに奇異なものに見えますか?

_ あと,誤解を招くといけませんが,今回私が一番批判のやり玉に挙げたいのは,このような対応を取ろうとしている政府(あるいは関係省庁)であって中国ではありません。

_ また,中国産の農作物全体が危険だという主張をするつもりもありません。しかし,現在までの実績を見る限り危ないものが混ざっている頻度が高く,明らかにリスクが高いため,

国が責任を持って水際で食い止めて欲しい

というのが私の主張です。 より安全な農作物・水産物を安定的に(できれば安価に)我々が手に入れられるよう,国にはがんばっていただきたいわけです。

_ まぁ,仰るとおり研究者としての限界を感じつつある今日この頃だったりするんですが,自分の主張を一発でわかってもらえないようでは政治家に転向しても芽は出なさそうですね。どうしたものやら。明日の私はどっちだ?


またまたお返事 (ぐる, 雑談)

_ 早速返答&論点を箇条書きにしてくださって感謝です。

_ 文章の認定について

え〜と,どうやら私の書き方がだいぶ悪かったようなのは認識したんですが,前回のお返事でこっちの意図は把握してもらえたんでしょうか?実際のところ,どこをどう誤解されたのかを全く理解できていないので非常に不安です。

_ とりあえずBSEに対して非常に不安感を抱いていらっしゃるようだというのはわかりましたが,私もBSEは「完全に安全だ」と言うつもりは毛頭ありません。 ただ,この後の話にもかかりますが,かけられるリソースの割合には疑問を持ってます。もちろんかけられるリソースがどんどん増やせるのであればかまわないと思いますが,実際にはかけられるリソースは有限です。よくご存じかとは思いますが,そのリソースを増やすのもなかなか困難です。ではそのような現状をふまえた上で,BSEと残留農薬問題についてのバランスはどうなのよ?という問題提起を行っています。

_ 政府筋の認識はどうなのかはともかくとして,残念ながら一般における現状認識の差は著しくバランスを欠いているというのが私の現状認識です。私は少なくともBSEに匹敵するレベルでの危機感*4を持ってもかまわないと考えています。

*4: まぁ,現状でBSEにもたれている危機感並みとなると,確かに過剰な気もしたりしてるんですけどねぇ(^^;;;

_ 主張について

前述しましたが,リソースを十分に増やせるのであればそんなハッピーなことはないと思います。が,現状ではやはり限られてます。そして,私の目から見てBSE対策に振り分けられているリソースは過剰すぎるように見えます(理由は後述)。

_ リスク比較について

「できれば具体的な数字を出して比較していただきたいところ」

と言われても,ポジティブリストに掲載されている化合物だけで799化合物もあるんです(^^;;;;;;;;

_ というわけで,すいませんが厚労省が出している食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度における暫定基準の設定について(PDF) というのを紹介しますので,これで勘弁してください。

_ 基本的に日本のポジティブリストにおける基準値は,国際的に集められた研究データを元に算出された一日の許容暴露量(ADI)を基準に定められています。先ほどのPDF資料によると,ADIの80%以下になるような値に設定されているようです。

_ で,さすがにADIの妥当性について全部検証してくれと言われるとさすがに死んじゃいそうなんで……,この辺で勘弁してくれませんか?

_ 私としては現在ある情報と対策の段階で,現状以上のBSE対策をして減らせるリスク量よりも,現行のポジティブリスト基準値を超えている輸入食材を水際で防ぐことにより減らせるリスクの方が大きいと考えているのです。もし,これに対する反証となるような具体的な数値とかがあれば教えてください。大変申し訳ありませんが,私には見つけられませんでした。

_ また,ここがポジティブリスト制の肝なんですが「疑わしきは罰する」というのが最大の特徴です。個人的には「それってどーよ」的な微妙な部分もあったりするんですが,基本的にこれが世界の流れです。安全性が確認されたもの以外,食品に一定以上の量が混入していることは許されません。

_ つまりこれがどういうことかっていうと,今までのネガティブリスト制では防げなかったネガティブリスト掲載以外のものによるリスクを防げると言うことです。さらに,ポジティブリスト制制定に伴い,さらに厳密な公定分析法が制定されましたので,さらに穴がふさがっている状態になりました。

_ つまり,今までも多少いたであろう中国産食材中の残留農薬を気にしていた人は,たとえば外食したときに中国産食材が混ざっているかどうかが不明な場合に「食べない」か「あきらめる」という選択肢しかなかった訳なんですが,ポジティブリスト制がきちんと機能してさえすれば,国の中にいる限りは,だいたい守ってもらえてると考えても良いことになるわけです。

_ つまり,このポジティブリスト制がきちんと機能し,中国もこれにきちんと追随して対応してさえくれれば,我々は今まで以上に気楽に安い食材を得ることができるわけですよ。個人的にはこれは大歓迎です。

_ それにも関わらず,その肝心要の監視体制に穴を開けようという動きがあるから憤慨していたわけです。ご理解いただけましたでしょうか?

_ (アメリカに対する日本の要求は過剰かどうか)*5

*5: 勝手に題名つけました。すいません。

「24ヶ月齢以下の牛からは…」

えっと………,ごめんなさい。すごく誠実な対応だと思うんですが,微妙に揶揄しているようなニュアンスを感じるのは気のせいですか?新しく認められた新規な事例に対応することがいけないことなんでしょうか?それとも現時点での知識に対して無謬性を求められているんでしょうか?現在は検出限界のせいで30ヶ月未満の牛を検査しても減らせるリスクはほとんどありません。しかし,今後の研究でより低い濃度のプリオンを検出できるようになれば,検査対象月齢は変化してくるかもしれません。もちろん,その頃になればプリオンの基準値が確定し,やっぱりしなくても良いという判断になるかもしれません。

_ 蛇足的に言えば,日本で現在見つかったBSE牛のうち30ヶ月未満で陽性だった例は21ヶ月と23ヶ月の二例で,しかもそのうち一例(23ヶ月)は「糖鎖パターン及びプロテアーゼ耐性がこれまで確認されたBSEのものとは異なっていた。」という特殊なケースでした。

_ また,ついでに言うと日本で発見された23例のBSE牛の場合確定検査法として用いられている「ウエスタンブロット(WB)法,免疫組織化学検査(IHC),病理組織検査」のうち2法以上が陽性になるケースが多いですが,この若い牛の二例に関してはWB法でしか検出できませんでした。

_ まぁ,これはWB法の検出感度が優れているということでもあると思うんですが,そんな感じな訳です。

_ 現時点での最大の問題は,プリオンについて先ほどあげたADIが設定できない状態にあるのがすべての原因であるかとはおもいます。しかし,ここでも書いた通り,BSE牛由来の変異型CJECJDへの感染リスクは相当低いことが予想されますので,このADIは今世間一般で考えられている以上に大きいのではないかと推定するのが論理的だと思います。

_ 「アメリカの食肉業者には…」

それはいるでしょうね。その方が売れそうだってわかってるんですから。でも,それを認めると全頭検査を行う資金力のない業者を自動的に排除することになると言うことと,アメリカ側が訴えてきた主張を自らねじ曲げることになってしまうわけですから,アメリカが認めようとしないのも致し方ないかな?と思いますし,全頭検査をしたからと言って現状ではリスクを軽減することができないのですから,日本が必要以上にごり押しせず,他の案件を認めさせるための交渉カードとして用いたのは非常に良かったと思います。

_ 残念ながら今現在全頭検査をしても検出限界以上のプリオンが蓄積されている可能性は極めて低く,基本的に30ヶ月未満の月齢の牛について検査をしても「気休めくらいにしかならない」のは事実です。

_ それに対し,日本側は世論の後押しもあり,日本での実例を根拠に検査対象を20ヶ月以上の牛にさせたり,一回目の輸入再開時の不手際を根拠に日本側の検査員をアメリカに常駐させることを認めさせるなど,非常に大きなリソースを割いて努力をし,同時に結果も残しています。この成果は評価されてしかるべきでしょう。

_ それにも関わらず,なぜ中国産食材の残留農薬について規制緩和の方向に向かおうとするのか。極めて残念です。そして,その原因が世論の後押しが少ないことにあるのであれば,微力ながら問題提起をしていきたいと思っているわけです。

_ 比較について

「狂牛病については死亡率、残留農薬については基準値以上の農薬が残っている率で比較したら…」

BSEのプリオンに対する基準値が設定されていない以上基準値で比較するのは不可能です。また,残留農薬がもたらす発ガン性を含む様々な健康被害データの蓄積から得られたのがポジティブリストの基準値です。こちらについてはリスクの推定がほぼ確定しており,これ以上の量を含む食材を日常的に摂取することが(少なくとも現時点での知見では)リスクが高いと判断すべきだと思います。ですので,これらの値を基準に考えるのは妥当だと考えます。

_ では,同じ土俵に上げるためにBSEによる健康被害リスクで判断するとして,どう考えるべきか。

_ となれば,BSEによりもたらされていると考えられる健康被害は今のところ変異型CJECJDのみですので,その発症リスクを考えればよいことになります。で,残念ながらこの場合発症リスク=死亡リスクになりますので,変異型CJECJDによる死亡率とポジティブリスト基準値違反の頻度を比較することに特に意味がないとは思えないのですがいかがでしょう?

_ ちなみに2005/2/8現在,世界中で169名の変異型CJECJD患者が見つかっているわけですが,そのうちここまでの段階で154人しか見つかっていないイギリスの変異型CJECJD病の患者が将来的に5000人まで増えたと仮定して計算した場合でも,日本全人口に対する将来的な発症者数の推定値*6は「1を超えません」。

*6: 「叩き台」と冒頭に書かれているとおりかな〜りおおざっぱな計算ですが,相当悲観的な予測ばかりを使っていることもあり,おおよそ最大値ではないかと予想されます。

_ ここまで考えれば,どちらの事案に比重を置くべきかというのは明確ではないかと思うのですがいかがでしょう?少なくとも現状のBSE対策はすでに過剰の域に達している可能性が高く,現状を維持しながらさらなる知見を求めるというので十分であると思います。

_ これに対し,現状のポジティブリスト制はまだ実施開始されたばかりであり,ここからががんばりどころです。また,基準値も暫定的なものが含まれており,もしかすると基準値が緩和の方向に出てくる化合物が出てくる可能性もあります*7

*7: もちろん逆のケースもあるでしょう。

_ しかし,ポジティブリスト制がきちんと意味を持つためには,国内の生産者に対する管理・指導はもちろんのこと,輸入食材に関する水際での監視体制が必要不可欠です。ですから,今回の監視体制緩和などという方針には断固反対いたします。

_ ところで,こちらのメモのリンク先を見てふと思ったんですが,もしかして私が「農薬はすべて悪である」とかいう思想の持ち主だと思ってますか??

_ 私の日記をかなり古くから読んでいただいている方の一人だと思っているので,そういう誤解をされているとは考えにくいのですが,どうでしょう?

_ 正直BSEの話とか出したのは失敗だったかな?と考えてます。今回の話ではせっかく制定したポジティブリスト制の意味を根底から突き崩すような政府の方針案に対して憤ったのが元々の話ですから,本来はBSEの話なんて出す必要がなかったんですよね。

_ それなのに出してしまったのは,日頃からBSEだの遺伝子組み換え食品だのに代表される「未知の驚異」をやり玉に挙げて「食の安全が」と叫んでいる人たちが,なぜ「明確になっている驚異」に対して何も言わないのか?と言う日頃からの憤りがあったもので,ついつい出てしまったんですよね。

_ いや,ほんとおさわがせしてすいませんでした。



2006/08/24 (木) 晴れ

さらにお返事は続く (ぐる, 雑談)

_ 主張内容について

すいません。変な煽りくれてしまったおかげで読みにくくなっていたんですね。お詫びいたします。BSE関連については,最低限変なポーズで無駄金使うの止めてくれればそれでいいです。同じポーズ取るなら,今現在注目度の低い残留農薬問題のアピールに使ってもらいたいです。BSEの真相解明に向けて努力してる人たちは,大変そうなので応援してあげて欲しいと思ってます。

_ が,今の時点でも十分にリスクは低く抑えられていると考えていますので,現時点でこれ以上対策を強化する必要性も感じません。ですので,予算を大幅に削れとは言いませんが,もうちょっと減らしても*1いいんじゃないの?位は思ってます。今BSE関連研究に期待するのは,よりリスクを軽減させるための対策よりは,その発病と感染システムについての研究です。これらが明らかになれば,当然リスク軽減にも寄与すると思いますが,どちらかというと未知なるプリオン病あるいは未知のウイルスなどに対する学術的な興味です。この辺の研究により得られる知見は,将来的にも非常に大きな糧になると思いますので,関係分野の方々の奮闘を期待したいと思います。

*1: もちろん,その予算額に見合った成果さえ出してくれれば十分だとも考えてます。期待する成果と割かれる予算は当然比例関係にあるべきです。予算削って成果を増やせなんて,愚の骨頂です。

_ 現時点では,これ以上対策を強化してもコストパフォーマンスが悪すぎますので,現状の維持・管理だけでも十分*2だと思っています。さらに言えば,研究が進み安全だとわかる範囲が増えれば,コスト削減のために緩和したってかまわない*3と思います。理由は後述もしますが,これまでさんざん書いたので割愛します。

*2: もちろん研究により得られた知見いかんによっては状況は変わると思いますよ。

*3: 当然これは残留農薬問題に関しても同じこと。 ポジティブリストの基準値は随時見直され続けるべきです。

_ あいかわらずぐだぐだと書いてしまいましたが, とにもかくにも釈然としていただける文章を書けなくてすいません。

_ 検出手法について

おそらく現時点で一番検出感度の高いのはWB(ウエスタンブロッティング)法になると思います。新しい検出方法については,がんばって検討している人たちがいるとは思うんですが,勉強不足でここで偉そうな解説ができるほど熟知しておりませんです。すいません。

_ コスト

日本とアメリカについては数が違いすぎるから,と言うところなんでしょう。こちらの資料によりますとアメリカの牛肉生産量は年間1200万トンに達します。それに対し,日本は平成16年の実績で34万7千トンです。桁が二つも違えば当然躊躇してくると思います。ヨーロッパはEU全体で780万トン前後の牛肉を生産しているようですが,私が調べた範囲では,健康と思われる牛に対しては30ヶ月以上,農場内で死亡したものについても24ヶ月以上の牛でしか全頭検査は実施されていないようです。EU諸国において,牛肉として処理される牛のうち30ヶ月以上の月齢の牛が占める割合についての資料を見つけ出すことができなかったのですが,日本や北米では20ヶ月前後で処理されるようですので,それほど多い割合だとは思えません。

_ ちなみに今回(前回も)日本への輸入が許可されているのは,月齢20ヶ月未満で危険部位の除去された牛肉だけです。日本でも全頭検査の対象は昨年の7/1より月齢21ヶ月以上となりましたので,輸入対象となるような牛に対しての検査は国産牛でも全頭検査は実施されていません*4。このような現状で日本以上の対策をアメリカに対して求めるのは,正直異常だと思います。

*4: 一部自治体では行われているという話もありますが,どこでやっているのかは未確認です。

_ ということで,危険部位の除去が不十分だった前回再開時の問題について,日本側の検査員の常駐と国内における水際での全量検査,そして米国内での違反事例に対する処罰の強化などが対策として行われます。これらの対策は間違いなく世界でも最高水準のもので,正直これ以上何をしたらいいのかな?*5と言う印象です。なにしろ,アメリカ国民はこれ以下の対策しかしてない牛肉を我々以上に消費してるんですから。

*5: これが信用ならないとなると,日本でも20ヶ月未満の牛はすでに検査してないわけですから,全量豪州産にするとかくらいしか思いつかないです。

_ リスク比較

あははははー(^^;; うさんくさいですか。これはどうもすいません。ご存じの通り,根が元々うさんくさい人間ですので。

_ でも,変異型,弧発型を問わずCJD*6発症したら1〜2年以内に死亡してしまうんです。そして,それ以外にBSE由来による健康被害は認められていないんのが現状なんです。だとすれば,BSE由来による健康被害を端的に表すことのできる値は他にはないですよね?そして農薬由来の場合は,確かに身体に異常を起こさない程度まで基準値が低く取られていますから,一方的に厳しいレベルで比較しているように見えます。でも,死ななければそれでいいんですか?と,逆にお聞きしたいです。

*6: すいません。今まで「CJD」を「CJE」と誤記してました(^^;;; 昨日の分も訂正してます。

_ 発ガン性についても残留農薬による影響は無視してかまわないかのようにも受け取れる発言が出ていましたが,そこまで行くとあとは慢性中毒による死亡か,急性中毒による死亡レベルまで基準値を上げられることになっちゃうんですが,さすがにそれはまずいですよね?

_ まさかそれでもかまわないなんて思っているわけはないと思いますが,そうなると適切な基準値はどのあたりで設定すべきだとお考えなのかがわからなくなります。よろしければその辺をお聞かせいただけると助かります。

_ また,こちらで設定した基準値が守られているかどうかの判断を相手国側にゆだねようという動きがあることについてはどうお考えですか?BSE検査に関しては,アメリカ側の検査に不信感を抱いている人が世の中多いようなのですが,もし同じようなお考えをお持ちでしたら,中国がアメリカより信頼できるという根拠を教えてください。

_ まとめ

そうでしょうか?私の目から見ると,世間一般が

明らかにBSE問題を重視しすぎる方向にバイアスがかかっている

ように見えます。根拠は今まで長々と書いてあるとおりです。

_ 公平,かつ科学的にそれぞれのリスクを検討すれば,世界的な安全基準を超えた対策を行っているBSE問題と,世界的な安全基準が守られていない中国産食材残留農薬問題について,今後どちらがより早急な対応強化を行わなければならないかは明白です。

_ それにも関わらず,なぜ世間ではこのようなバイアスがかかっているかを考えてみると,BSEに対する恐怖感が強すぎることと,残留農薬問題に関してマスコミなどによる報道が少なすぎるためだと考えています。ですから,BSEに対する無駄に強すぎる恐怖感の軽減と,問題提起のために,長々とこんな文章を書いてます。

_ 科学に携わる者が,こういった啓発活動を行うこと自体が気に入らないと言われればそれまでですが,私は科学に携わる者であるからこそ,こういった問題提起を行うべきだと考えております。


まだまだ続くお返事祭り (ぐる, 雑談)

_ あ〜〜,え〜〜と…, 死ぬどころか,それ以下の慢性中毒症状とかそういうのが出ても困るからADIという値を設定し,なおかつそれ以下の基準値を設けてポジティブリストで規制している訳でして,一応私は一貫してその方針については支持してきたつもりなんですが,伝わりませんでしたか?

_ いや,あの本当にすいません。なんでそういう読解をさせちゃったのか全く理解できません。というか,そもそも残留農薬由来の死亡率にこだわっていたのはかっしーさんかと思っていたんですが…,これはそういう意味じゃなかったんですか??私はそういう風に理解したものですから,それに対して「死亡する以前の健康被害も防ぐための値がポジティブリスト基準値であり,それを遵守してもらわないと困る」と訴え続けていたつもりなんです。なんかうまく伝えることができなかったようですね。すいません。

_ で,具体的な例を示して欲しいとのことですので,とりあえず適当な例を探してみました。

_ これは先日中国産シイタケから検出されたフェンプロパトリンというピレステロイド系の殺虫剤のADI決定に関する論文です。読んでいただければ,どのような検討をした上でADIという値が決定しているかがわかると思います。この論文における試験では発ガン性は認められておりませんが,その他の様々な試験から明らかに無毒である濃度領域を見極め,間違いなく安全である基準値を設定するようにしています。

ちなみにADIに関する考え方の簡単なものも示しておきます。

また,こちらのページでは様々な農薬の安全性について検討された論文のリストが検索できます。先ほどのフェンプロパトリンに関する情報もここから持ってきました。

_ これらに書かれているとおり,ADIというのは「一生涯摂取し続けても健康被害をもたらさない量」として設定されています。ですので,ここでも書いた通り基準値を超えたものを一回食べたくらいでどうこうなることはありません。そういう意味ではかなり安全側に振っていますが,それはBSEも同様であることは再三指摘したとおりです。

_ そして,現実問題としてこの基準値が守られていない事例が頻発しています。

_ BSEの場合は,世間一般での認知度や危機感が高いためかどうか知りませんが,基準が守られていないことが判明(危険部位混入)した直後に再度完全輸入停止の措置が執られました。

_ それに対し,これらの残留農薬についてはそこまでの措置が執られておりません。同一品種について,輸入業者による検査が義務づけられているだけです。中国産の同一品種というくくりで,輸入や流通が停止したりはしておりません。

_ また,監視体制についてもBSEに関してはアメリカ側の検査所への日本側検査官が常駐し,なおかつ国内においても水際で「全量」検査が行われています。しかし,残留農薬に関しては現状でも抜き取り検査が行われているだけですし,しかも「中国側が優良企業と認めた」だけで,フリーパスになる方向に緩和されようとしています。繰り返しになりますが,このような動きについてはどのようなご意見をお持ちでしょうか?もちろん私は非常に問題があると考えています。

_ バイアス

なんで私がこんな文章書いてるかをわかってもらうために,世間一般の話をしたつもりだったんですが,とりあえずかっしーさんにはバイアスがかかってらっしゃらないと言うことですので,それはすばらしいことだと思います。

_ ただ,リソースの枠を広げられればベストなんですが,残念ながらそれが難しいのが現在の状況です。ですので,私はそのような非理想状態の状況でどうあがけばよいのか,と言うことについて話をしてきたつもりです。できればそのような非理想状態においてどのようにするのが,よりベターであるとお考えなのか。そのあたりについてご教示いただければと思います。

_ 問題提起とか

まぁ,私はしょせん三流研究者ですし,今回の話は確かにアジってる部分はあるんでそのような評価を受けるのも致し方ないですね。

_ というわけで,すいませんが今後の参考にさせていただきたいと思いますので,その説得力のある話が出ているところを教えていただけると助かります。

_ また,どうやらそれらの情報によってかっしーさんの中では何かの結論が出たようにお見受けいたしました。よろしければその辺についてもご教示いただけませんでしょうか?後学のためにぜひよろしくお願いいたします。

_ ところで……,あの。すいません。誤読してるとまずいんで一つだけ確認させてください。私が「科学者であるとは私は思わなくなったので、問題ないです。」って「科学者だったらダメ」ってことではないですよね?

_ いや,そんな意味が入ってるはずはないと思うんですが,気になったんで念のため。


やっと相違点がわかりました (ぐる, 雑談)

_ やっと……,やっとわかりました。長々とおつきあいありがとうございました。つまり1億分の1以下と推定される死のリスクの方が,それより高い確率で起こると予想されても死なない程度の健康被害よりはずっとリスクが高いとお考えなんですね。ようやく理解できました。

_ 確かに,それでは全く話が合うわけはありませんでした。なにしろ私は引き起こされる確率が高ければ,死なない程度の健康被害でもそちらの方のリスクが十分高いと考えておりました。目から鱗が落ちる気分です。確かに

死ななきゃ治る

というのは確かにそういうケースもある*7かもしれませんね。そういう考え方があることには全く気づきませんでした。ほんと,勉強になります。今後はそういう考えをもたれる方がいらっしゃることを念頭に置くことにいたします。勉強になりました。

*7: 慢性中毒だとなかなか治りにくいかもしれませんが。

_ 私が政治家になったからと言って,そう簡単にリソースが取れるような大物になれるとは思いませんし,そもそも選挙で当選できるとは思えません。確かにこの日記へのアクセスは,日に数百程度です。でも,とりあえず私ができるのはこの程度しかありませんので,できることからやっていきたいと思います。せっかくのご忠告を実行できなくてすいません。

_ かっしーさんがたどり着いた結論や,お集めになった有益な資料を教えていただけないのは非常に残念でしたが,それは今後地道に探していくことにいたしましょう。

_ お忙しいところ長々とおつきあいいただきましてありがとうございます。まだ何かありましたら別ですが,とりあえず私の方はこれで締めにさせていただきたいと思います。

_ また,昨日今日とアクセスが倍増する勢いで見ていただいておりますが,相変わらずのくだらない長文を読んでくださった方々にも深く感謝いたします。どうもありがとうございました。また明日から通常営業に戻る予定でおりますので,今後ともどうかよろしくお願いします。



2006/08/25 (金) 晴れ

通常営業への遠い道のり (science関連, 雑談)

_ なんかね。これを乗り越えないと,通常営業に戻れない気がしたんでやっちゃいますよ。あえて今回はリンク貼りません。自己満足のためにやりました。これを見てどちらのリスクが高そうか?という判断をどう下すかは皆さんにお任せいたします。とりあえず私はこれらのことを考えて,残留農薬問題の方にこそリソースを振り分けるべきだという結論に達しました。

_ ということで,こっから先は,昨日まで引用したリンクしたところの内容を抜粋して要約してまとめただけの文章です。すでにリンク先を読んでくださった方にはほぼ不要ですので,読み飛ばし推奨です。すいませんが,どうかご了承ください。

_ いろいろ引っ張り出しても混乱の元なので,昨日のシイタケの話で行きましょう。含まれていたのはフェンプロパトリンです。これの基準値一覧はこちら。ついでにシイタケに関する基準値も示しましょう。

_ さて,このフェンプロパトリンのADIを決定した論文は昨日も示しましたがこちらになります。それではこの論文の内容について,抜粋して説明しましょう。

_ まず急性毒性ですが,急性経口LD50がマウスで44〜47mg/kg,ラットで60〜70mg/kgです。これはどういう意味かと言いますと,口から体内に体重1kgあたり,これだけの量を取り入れると半数の実験動物が死ぬことを示しています。で,これがどの程度の毒性に当たるかというと,一般的に「劇物」と呼ばれているカテゴリーに入ります。

_ 毒性の格付けについてはこちらを参照していただきたいのですが,どうもここでちゃんと書かなくちゃいけないようなので書かせていただきますと,経口でLD50が30mg/kg以下の場合「毒物」,30〜300mg/kgの場合「劇物」,それ以上の場合「普通薬物」とカテゴライズされています。

_ 劇物として扱われているものの中には,メタノールやアセトンなども含まれております。実験室などでは鍵付きの保管庫と管理簿による使用量および保管量の記録が必須とされていますが,割と日常的に扱われているレベルの薬品という扱いになります。

_ とはいえ,最近開発されている殺虫剤では「普通薬物」扱いになるものも少なくないという現状を考えると,わりときつめの薬であるという見方もできます。

_ ということで,とりあえず大量に摂取すると死亡します。まぁ,これだけの量を残留農薬として食品から摂取するのは難しいですけどね。

_ さて,次は反復投与した場合,つまり慢性毒性についてです。マウスを用いて複数の濃度のフェンプロパトリンを混入させた餌を104週間食べさせ続けたところ,600ppmの濃度を投与した場合に脳重量と腎重量の増加が見られています。また,貧血症状やメスにおいて過敏症状が見られました。

_ ラットにも同様に103週間食べさせ続けましたが,26週目で450ppm以上投与したラットにおいて死亡率の増加が見られました。

_ 次にビーグル犬について同様に52週間の試験を行ったところ,750ppm投与の群のオスが死亡し,250ppm以上投与した群で振せん(体の震え)が認められています。

_ 次は繁殖試験の結果を見ましょう。こちらは世代を超える毒性が生じるかどうかの試験です。とりあえず親の方は無視して子供の方だけ見ますと,360ppm投与した群の子供に体重が増えにくいという現象が見られています。

_ 催奇形性,遺伝毒性については認められませんでした。

_ 以上の実験の結果をすべて加味し,ラットにおいてどの毒性も全く生じなかった投与量として40ppmという値が得られました。この値を体重で割り,さらに日割り換算しますと2.6mg/kg/dayという値になります。

_ 今回の場合,ラットがこれ以上の量のフェンプロパトリンを摂取すると(一番過敏な反応を示した)子供の体重増加が鈍る可能性があるということです。

_ ここまでの実験結果をご覧になればわかるとおり,ラットとマウスに同じ試験をしても得られる結果が違います。当然ラットと人でも違う結果が出る可能性があります。

_ 人間で実験できればより正確な値が得られるんでしょうが,さすがに人間使ってLD50なんて求められるわけもありませんので,安全係数というものを使っておおよそ大丈夫であろうと考えられる値を決定します。つまり,これがADIと呼ばれるものです。

_ 基本的には動物から人へ値を適用する際に「10」を,そして人の間の個人差を考慮して,さらに「10」をかけ,合計で「100」を安全係数としてかけます。

_ つまりこの場合ラットにより得られた実験値を100で割った値,0.026mg/kg/dayがADIとして設定されることになります。

_ そしてポジティブリスト基準値はこの値の80%を超えないような値として設定するのを基本としていますので,この場合基準値として0.01ppm(=0.01mg/kg)が採用されています。

_ なお,死亡することが最大のリスクであり死ななくても治るんだったらそれはリスクとして比較しても意味がないという主張も世の中にはお持ちの方がいらっしゃるようですので,死亡率増加に対応する値として,反復試験によりラットの死亡率が増加したという実験結果からちょっと多めに見積もって*1450ppmという値を持ってきましょう。

*1: 本来であれば,今回の実験の場合「絶対死亡率が上がらないことが確認されている値」という意味で150ppmという値が採用されるべきケースです。

_ これに念のため安全係数100を同じように加えますと,30ppm/kg/dayという基準値が得られます。これを基準にポジティブリスト基準値を設定するとすれば,30x0.8=24ppm以下*2の値が設定されると考えられます。

*2: ちなみに150ppmを採用した場合は,8ppm以下ということになるでしょう。

_ というように,残留農薬等の基準値もかなり安全側に振って,過剰なまでに「間違いが起こらない領域」を求めた結果の値が定められています。ですので,それをもって「リスクが低い」とすることももちろん可能でしょう。っていうか,そうなるように設定してるわけですので当たり前と言えば当たり前なんですけどね(^^;

_ ところが,本来ADIは体重あたりの値になりますので,たとえば体重80kgの人であれば2.08mg/dayまでは問題ないことになりますが,体重20kgの子供であれば0.52mg/day以上でアウトになる可能性が出てきます。先ほど出した死亡率に関与する基準値と言うことであれば,1920mg/dayと480mg/dayですね。

_ 0.52mgというのは0.52ppmもフェンプロパトリンが含まれたシイタケを一日1kgも食べなければいけませんので一見大丈夫のように思えますが,万が一他の食材にもフェンプロパトリンが混入していたら,どうしましょう?

_ たとえば冒頭で示した基準値を見ると,柑橘類などの基準値は5ppmとシイタケの500倍まで許容とされています。この辺は食べ方の違い(普通柑橘類は外側の皮は食べない)とかで算出されているので,直接的には問題ないとは思うんですが, 場合によっては(マーマレードにして皮をおいしく食べてしまうなど),シイタケ以外からの分を合わせるとこの値を超えてしまう可能性も否定できません。また,子供の方がこのような薬剤に対する耐性が低い可能性*3も十分に考えられます。

*3: 子供は子供産まないからいいじゃん,と言われればそれまでですけどね。

_ なお昨今の化学物質過敏症などの問題から,安全係数をもっと高めるべきではないか?と言う議論もあります。農薬問題に対して敏感な方々にとっては,この基準も決して十分ではない*4ようです。

*4: ただし,この文章はちょっと古いらしく,ここで提起されている問題の大部分は,ポジティブリスト制が「正しく機能して」いれば,十分防げる問題だとは思います。

_ このような現状で,たとえば基準値を「命に『は』別状無いレベル」まで引き上げたとします。農薬にかかるコストの問題もありますが,大規模になればなるほど何も考えずに農薬をじゃんじゃん撒いた方が余計な手間がかからずに楽ちんになります。ですから,コストをかけられさえすれば,商品を売ることのできる範囲内でじゃんじゃん農薬の使用量が増加する*5ことが目に見えてきます。

*5: っていうか,この間まで(今も??)の中国や,数十年前の日本,アメリカがそんな感じ。

_ となれば,先ほどあげた「健康被害が何も起きないレベル」なんていうのは,軽く通り越してしまう可能性の方が大きいです。まぁ,治ると言えば治るかもしれませんが,突然震えが来たり肝臓病になったりするのもしんどいので,やはり基準値は安全側に振って,そこぎりぎりまで使われたとしても大丈夫なレベルにした方が良いと思います。安全係数が小さすぎるケースが疑われていたり,複数の食材から複合的に残留農薬の影響を受ける可能性があるのではなおさらです。

_ 以上,ざっとまとめます。

  1. 最近の農薬については,死亡を伴うような急性毒性は余り気にしなくて良い場合が多い。
  2. 健康被害とは,体重増加抑制や体の震え,血液検査値の異常などの軽微な異常を含むものである。
  3. 残留農薬に関する基準は,何一つ健康に害を及ぼさないことを前提とした厳しい値に設定されている。
  4. そのため,これまでの違反例であれば一つの食材から健康被害がもたらされる可能性はかなり低いが,基準値があがればその限りではない。
  5. また,複数の食材から複合的に汚染される可能性は否定できない。

_ BSEと残留農薬問題でもっとも違うのは,5番の部分です。確かに単一の食材だけで健康被害をもたらすほどの残留農薬を摂取するのはなかなか困難です。しかし,他品目の食材が同様に汚染されていたりした場合,また基準値内でも食材によって基準値が異なっていますから,何らかの原因によりそれらから複合的に汚染を受けるケースなど,問題はわりと複雑です。

_ また,一カ国からだけ輸入されてきた1品目に対し「危険部位の混入」というただ一点だけを監視すればよいBSE問題への対策と,中国産だけでも

数多くの品目に含まれる数百種類の化合物に注目しなければならない

残留農薬問題のどちらが基本的なリソースをより多く必要とし,しかも今後どちらの場合において,その最低限必要なリソースが増大していく可能性が高いかも,明らかなのではないかと思います。

_ もちろん,現在行われている対策が十分正しく機能している限りにおいては,BSEも残留農薬問題もリスクは十分に低いです。しかし,それもこれも「正しく機能して」いればこそです。

_ BSEに関する対策が,あまりにリスクが高くなりすぎるような改悪が施される*6のであれば,もちろん反対します。

*6: ありえませんが,たとえば最近解禁されたばかりの月齢30ヶ月以上のイギリス産牛肉を積極的に輸入するとか,「危険部位」の除去を停止するとか。

_ しかし,それと同様に現状でもっとも違反例の多い中国産食材に関する監視体制の緩和にも反対する。と言うことです。

_ 以上,とりあえず実例を加えながら説明してみましたが……,長すぎますね(^^;; っていうか,こうなるのわかってたからここではやりたくなかったんです。ただでさえ文章長いという悪癖があるんですから(^^;;;

_ これ,全部読む人本当にいるかなぁ?(^^;;;;; もし,がんばって読んでくださった方がいらっしゃいましたら,深く深く感謝いたします。ありがとうございました。



2006/08/28 (月) くもり

後始末 (ぐる)

_ というわけで,ほっしーさんからコメントいただきましたので,あわててもう一度調べ直してみましたところ,確かに日本国内での「抜き取り検査」自体は,たとえ「検査命令を免除」したとしても行われ続けるようですね。

_ どうやら,私が思っていたほどひどい自体にはならなそうなのでちょっとだけ安心しました。勘違いを指摘していただいてありがとうございます。また,「内外無差別」についても教えていただき感謝です。なるほど,そういう事情があるとなると,これ以上のペナルティを与えるというのはなかなか厳しそうなんですね。

_ とはいえ,それでもやはり個人的にはこの「検査命令の免除」という方針は何とか撤回していただきたいところ。確かに実質上どうなのだ?と言う話はあるかと思いますが,この手のものはある意味業界内における自浄効果を促すために必要な『業界全体へのペナルティ』という意味合いが濃いものであるのも事実だと思いますから。

_ とはいえ,なんとか現状程度の水際防衛は実施できているようなので安心しました。必要以上に不安感を煽ってしまった結果になったようで,読んでくださった方々には深くお詫びをいたします。


夏の終わりに向けて (親ばか)

_ で,お詫びと言ってはなんですが,久々の親ばかネタ。

_ ゆうの夏休みもあとわずか。となると気になるのが夏休みの宿題なんですが,ゆうの小学校は決められた課題はほんのわずか。その代わり,いろんなテーマの自由課題が与えられて,そのうち最低一個。やる気があればいくらでもやってかまわないというシステムになっている模様。

_ ということで,うちの娘はどんな感じに取り組んでいるかと言いますと,

当然のように一個以上やる気はなく(^^;

しかも,その一個もまだ終了していないという状態で,今お母さんと一緒にラストスパート中だったりします(^^;

_ 今回選んだのは,昨年に引き続き貯金箱。

_ 昨年は,コインの種類別に入れる場所の違う貯金箱なんてのを作っていたのですが,今年は去年アイディア倒れに終わってしまった『観覧車型貯金箱』を作成中。

_ 当初の彼女のプランでは,観覧車のてっぺんでお金を入れると,お金の入ったゴンドラの重みでぐるりと回り,一番下のところでコインが所定の場所にコロリンと転がり込むという形になる予定だったらしいんですが,まぁ,当然のように

  • ゴンドラをどう造るか
  • お金が落ちる仕組みをどう作るか
  • そもそも観覧車の素材をどうするか

などなど問題山積み(^^;

_ 一応7月の段階から材料をいろいろと買い込んで,試作を繰り返していたようなんですが,最初考えていた『紙粘土製』というのは,思ったような形に作るのが難しい&強度がないと言うことで敗北。また,ゴンドラの底からコインを落とそうとしていたらしいんですが,当然のようにそのやり方だと入れた瞬間に落ちてしまう(^^;

_ そこで外周方向に溝を掘って,ゴンドラを固定したまま回転させ,下に来たらコインが落ちるようにしようとしたらしいんですが,そんな精度でゴンドラを造れるわけもなく敗北(^^;

_ ということで,どうなるのかと思ってみていたら,試行錯誤のあげくゴンドラにクリップと磁石をつけ,台座につけたちょっと大きめの磁石との反発や何かを利用して,下に来たときにゴンドラをひっくり返すというシステムを作り上げて*1いたり。

*1: もちろんにょーぼが,ちょこちょことヒントを与えたりした結果のようではありますが(^^;

_ 一応ゴンドラが自由に動き,強度がちゃんとあって,ゴンドラのメンテも可能なようにうまくストローを使った固定よう治具を作ってみたり,いろいろと工夫しているようなのですが,なにしろお手伝いをしたい盛り,かつ

「お姉ちゃんは私がそばについていてあげないと何もできないのよね」

と,なぜか思いこんでいる(^^; らしいあいがそばにいたのでは,作業が遅々として進まないというのもあるらしい。

_ ということで,昨日はせっかくお父さんがいるのだから,とあいをドライブに二時間ほど連れ出し,その間にゆうとにょーぼにがんばってもらうことに。

_ で,その結果,どうやらその磁石システムの微調整以外のところまでは何とかできあがったらしい。

私「ほほぉ。だいぶできてきたのね」
にょーぼ「でもね。まだ,この磁石をセットする場所なんかがうまく合わなくて」
私「まぁ,確かに何か難しそう*2(^^;;」

*2: というか,正直実現を疑っているお父さんだったり<ぉぃ

_

に「それにしてもさぁ」
私「ん?」
に「普通,こういう工作ってのはそれこそお父さんの出番なんじゃないの?」
私「そうか?でも木工とか電子工作ならともかく,この手のならお母さんでもいいんじゃないの?」
に「でもさぁ,世間的にはさぁ」
私「いやいや,そんな世間がどうこうなんて狭い了見じゃいけませんよ」
ゆう「仕方が無いじゃない」
私&に「ん?」
ゆ「だって,工作とかはお母さんの方が好きだし,上手でしょ?」
私「まぁ,ねぇ(^^;」
ゆ「だったら,お母さんが手伝ってくれた方がいい物できるよ」
私「そそ。そんな世間がどうこうなんて言わずに,お互いの得意分野を有効活用すればいいじゃない。」
に「………,そう言われればそうなんだけど

お父さんの得意分野って何??」

私「ん?お父さんの?え〜〜と……」
ゆ「わかった!」
私「なんだ?」

ゆ「口から出任せ言って人を言いくるめること!」

私「ちょっと待て(--;」
ゆ「え〜,だってお父さん『ダウト』とかお母さんより得意だし〜」
私「そんなこと言っていいのか?お前お友達とこないだダウトやったとき,圧勝だったって聞いたぞ?」
ゆ「え〜〜,そんなことないよ〜。私嘘つくなんてこと全然できないもん」

に「黙れ,似たもの親子(--;
 顔色ひとつ変えずに嘘つけるのは,二人とも一緒だ」
私&ゆ「え〜〜〜〜,うそだー」
に「そういう発言をしれっと言える時点で,十分大嘘つきです(^^; あなたたちの場合」
私「ひどいなぁ」
ゆ「ひどいよねぇ」

_ 我が家は今日も平和です。


お父さん,名誉挽回(?) (親ばか)

_ 今月は時間が十分にある&できればそろそろあきらめて自分の学年のコース,もしくは一般コースに移って欲しいなぁ(^^; という希望を込めて

「お父さんお母さんは絶対(やることを)催促しません」

と言い渡していた通信教材なんですが,やはり十分に時間があるというメリットが発揮されたのか,いつもより早いペースで終了していたり。

_ ということで,昨日は最後に残った社会科の課題。今月のお題は,日本のエネルギー事情と省エネ問題。もちろん地球温暖化などの環境問題とも絡めて話が進んでいる(らしい)。

に「お父さん,ちょっと出番」
私「ん?」
ゆ「ねぇ,お父さん。『ねんりょうでんち』って何?」
私「ああ,え〜とだな。普通の乾電池ってのは,中に積めてる薬を反応させて電気を取り出してるの」
ゆ「へぇ〜」
私「その他に充電池ってのがあって……,知ってる?」
ゆ「わかんない」
私「え〜と,そっか。ほら,お父さんたちの携帯やビデオカメラとかのバッテリーあるだろ。あれだ」
ゆ「バッテリーって充電池なんだ」
私「そう言われると微妙なんだが,とりあえずあの辺は中の電気が無くなると,コンセントに繋ぐでしょ?」
ゆ「うん」
私「それってのは,コンセントから電気を吸って蓄えて後で使ってるんだよね。だから電気が必要なの」
ゆ「ふんふん」
私「でも燃料電池って言うのは,えっとそこに書いてる水素とか,あとメタノールって,ほら,あのお父さんがコーヒー入れるときに使ってるあれ*3」
ゆ「ああ,あのランプに入れてるやつ?」
私「そうそう。それとかを入れてあげると,中で反応が起きて電気が作れるんだよ」
ゆ「へぇ〜」

*3: サイフォンでコーヒーを入れるときのアルコールランプのこと

_

ゆ「でも,それって乾電池と何が違うの?中で薬が反応してるのは一緒なんでしょ?」
私「乾電池だと,一回反応が終わって薬がなくなっちゃうとそれでおしまいだろ?」
ゆ「うん」
私「でも燃料電池は後から『燃料』を入れるとどんどん電気を作ってくれるわけ。そこが全然違う。」
ゆ「あ,そうなの?乾電池には燃料入れられないの?」
私「乾電池だと,そう言うわけにはなかなか行かないのよ。全部説明するとややこしいんだけど。」
ゆ「ふ〜ん,そうなんだ」
私「で,まぁ。一応電気のないところで電気を作るから『発電』の仲間に入ってる*4んだな。」
ゆ「なるほどぉ。

お父さんも役に立つこと知ってるときがあるんだねぇ」
私「ぶっ飛ばすぞ(^^;」

*4: テキストにはそう書いてあった

_ その後,「地球サミット」についてもちょっと説明をしてあげたりとかして, 口から出任せだけじゃないことをアピールしてみたりとかしてみたが,

_ …………,たぶん,それほど出任せじゃない………………,よね??(^^;>燃料電池の説明




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